地方紙を支える若手が挑む“デジタル×地域密着”!「株式会社高知新聞社」
地方紙を支える若手が挑む ”デジタル×地域密着”!
株式会社高知新聞社は、高知県内唯一の地方新聞社として、1904年から120年にわたり地域の人たちに親しまれてきました。
そんな長い歴史を持つ高知新聞社の中でも、今回は若手社員が高知県の若者を対象に、注目のお店や高知の気になる話題を届けるアプリ『ニュニュ』の取材・記事執筆という新しいチャレンジを行なっている入社4年目の玉置さんにお話を伺いました。
ー玉置さんよろしくお願いします。改めて自己紹介いただいてもよろしいですか?
玉置さん: 玉置と申します。高知新聞社では「コンテンツ事業局 メディア企画部」に所属しています。
2021年入社で、今年で入社4年目になったのかな。今日は、高知で働くことを考えている学生さんに向けてのインタビューだとお伺いしたんですが、私自身は大阪出身なんです(笑)
ー先ほどインタビュー前に、高知県出身じゃないとお聞きして驚きました。
大阪出身の玉置さんが高知にIターンされたのは、どういったきっかけがあったんですか?
玉置さん: 実は、元々私自身は高知に全く縁がなくて。大学も関西の大学でしたし、高知新聞社のことを知ったのは就職活動がきっかけです。ただ、それ以前に高知を訪れた経験はありました。声優の小野大輔さんがめちゃくちゃ好きで、彼の出身が高知県佐川町だということを知りまして。
大学3年生の時に、聖地巡礼しようと夜行バスと汽車に乗って、佐川町まで行きました。
ーすごい行動力ですね。その時の高知の印象はいかがでしたか?
玉置さん: すごくいいところだなと思いました。食べ物もおいしいし、追手筋にヤシの木が植えられていて南国を感じました。
道がわからない時は、地元の方々が親切に教えてくれて。コンビニとか飲食店とか、普通に生きてるだけで地元の人がすごい話しかけてくれるんですよね。利害関係のあるコミュニケーションというより、実家感のあるコミュニケーションというか。その人柄の温かさに触れて、「いつか老後に住んでみたいな」とぼんやり思いました。
ーその時の高知との出会いが高知新聞社の入社に繋がってくると。
玉置さん: はい。まあ、そこに至るまでは色々とあったんですが(笑)
元々、大学進学時には教員になりたかったんです。でも大学の授業の中で、大手新聞社で記者経験のある先生に作文を褒められて、「記者になれ」と言われて。それがきっかけでマスコミ業界に興味が湧き始めました。でも、昔からなりたかった教員の道を諦めていいのかすごく迷った時期もありました。
ーその悩みはどう乗り越えたんですか?
玉置さん: 先生に相談したんです。「学校の先生であれば40人のクラスにしか伝えられないけれど、ジャーナリストになれば何十万、何百万人もの人に自分の伝えたいことを届けることができる」と言われて。その言葉で、私はジャーナリストの道を選ぶことを決めました。
ー素敵な先生ですね。ジャーナリスト志望になってからは、高知新聞社への入社はどのように決めましたか。
玉置さん: 就職活動では、大手新聞社の選考に落ちてしまいました。メディア、それも取材やライティングがある仕事が良かったので地方紙を受けようと思ったんです。地方紙を受けることに決めたら、じゃあ高知の新聞社にしようと。高知には行ったことがあるし、いつか住みたいと思っていたしなあと。
それが前倒しになってもいいかなと思って、高知新聞社を受けることにしました。「高知愛」が認められたのか(笑)、ありがたいことに採用いただいて、現在に至るという感じです。
ー「縁」としか言いようがない気がします。入社してからの仕事内容についても教えていただけますか?
玉置さん: 入社してから最初の半年は、本社で警察担当の記者。その後の1年半は同じく本社で教育分野を取材していました。特に教育は、私が教員になりたがっていたのを汲んでくれての配属でしたね。
3年目は、支局配属となって香南市を担当し、地域のほっこりネタから行政や議会の動向まで、全般的に記事を書いていました。4年目の現在は、また本社に戻って、高知新聞社が新たに若者向けに立ち上げたメディアアプリ『ニュニュ』のライターとして、取材や記事の作成、SNSを使った情報発信などを行っています。
アプリの中では「ライター・たまちゃん」として顔を出して、体当たりでアプリを盛り上げています(笑)
ー本社と支局の配属があるようですが、入社後はみなさんバラバラに配属されるんですか。
玉置さん: 入社タイミングでは、まず高知市にある本社配属ですね。ある程度一人前になった後、県内の支局に出ていく流れです。特に本社には先輩がたくさんいるので、その間に流れや分からないところを聞ける体制が整っているのがありがたかったですね。
ー会社としてそのような体制が整っていると、入社したての時期には安心できますね。
『ニュ二ュ』についても質問させてください。地方紙が「WEB版の新聞」ではなく、メディアそれもアプリを運営しているのは珍しいと思うのですが。
玉置さん: そうですね。全国でもかなり珍しいケースだと思います。ほかの地方紙の方が視察に来られることもありました。
ー『ニュニュ』自体はどういった経緯で立ち上がったのですか?
玉置さん: 現行の『ニュニュ』のようなサービスを立ち上げる、という会社方針自体は2022年ごろから出てきました。その中身やあり方をどうするのかというのは、有志の社員が集まって行うワークショップで話し合いながら進めていきましたね。
元々は、ニュースサイトのアプリぐらいの位置付けっていう方向性もあったんですが、それだと若い人は読まないよねって。
なので、高知新聞社の若手社員を中心に、ブレストを重ねながらアプリのあり方から改めて考え直しました。結果的には今のような立ち位置のアプリになってます。
ーまさに、みなさんで作り上げたアプリなんですね。
玉置さんは、新聞でもアプリでも記事を書かれていると思います。どういった部分が、特に異なってると感じていますか?
玉置さん: いくつかあるんですが、1つには文字通り「記者の顔が見えること」がありますね。
『ニュニュ』を見ていただければ分かるのですが、私が取材した記事には、私の顔がかなり出ています。これは読者との距離感を近づけたり、親近感を持ってもらうための仕掛けです。
この間も会社の夏休みにプライベートで行った香港旅行についての記事を書きました(笑)
あとは、情報を届けるための手法や選択肢が多様なのも大きな違いです。
新聞紙面の場合、掲載スタイルや専門部署での分業が確立していますが、ニュニュはデジタル媒体の特長を生かそうと、メンバーが一元的にさまざまな作業に取り組んでいます。記事には写真をたくさん載せますし、SNSでの発信、動画の撮影・編集、サムネイル作成も必要です。また、「こちょらじ」っていうラジオ配信もしています。
デジタルでコンテンツを届けることの可能性を最大限に引き出すことがニュニュを通じて発信する意義だなと感じています。この辺りが難しくて楽しい部分かなと思っています。
ー確かに『ニュニュ』を拝見しましたが、たまちゃんとしてかなり出演されてました。
難しさもあるということですが、そういった中で、やりがいはどういった時に感じますか?
玉置さん: 読者からの反応を直接感じられる時ですね。アプリなので、自分たちの発信が読者にどう受け止められているかがすぐにわかります。また、地域の方々と直接対話する機会も多いので、高知の人々の生の声を聞けるのも大きなやりがいです。あとは、最近学生さんが就活の場面で『ニュニュ』の話をしてくれることが増えてきたという話を聞いて、それもめちゃくちゃ嬉しいです。高知で暮らす20代とかの若い人って、「高知は好きだけど、高知って何もないよね」って思ってる人が多いと感じていて。でも、実はこんなに面白い体験ができる場所だよって、そういうことを届けたくて、『ニュニュ』をやっているので、知ってもらえてるのは嬉しいです。
ーある意味では最前線の動きだと思います。
最後に、高知で働くことを考えている学生さんにメッセージをお願いします。
玉置さん:新聞というメディアは、長らく斜陽産業と言われてます。確かにそういう側面もあるかもしれません。だからこそ、デジタルメディアである『ニュニュ』を盛り上げていきたいし、そこから高知ならではの面白さを届けていきたいと思っています。高知はめちゃくちゃ暮らしやすい環境があるし、高知新聞社は団結力抜群でいい会社です!ぜひ挑戦してください。
『ニュニュ』のダウンロードも、ぜひお願いします!(笑)
ー本日はありがとうございました。
会社名:株式会社高知新聞社
事業内容:新聞発行事業、デジタル事業、広告事業、文化・スポーツ振興
会社HP:https://corporate.kochinews.co.jp/
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