地域の防災から、月面の建設まで!建設技術に革新を「株式会社技研製作所」
地元・高知発の技術が、日本の“防災”を変える。サイレントパイラー™で月面建設まで視野に。
高知県に本社を構える技研製作所は、独自の圧入技術を世界で初めて実用化した建設機械メーカー。
今回はUターン入社2年目の製品設計課・福留さんと人事課の濱野さんにお話を伺いました。
ー本日はよろしくお願いします。まずは、技研製作所の事業内容を教えてください。
濱野さん:私たちは、高知市に本社を構える建設機械メーカーです。「サイレントパイラー™」という杭打ち機を中心に、災害に強いインフラ作りを支える技術を開発・提供しており、CO2排出量ゼロを可能にする電動化技術の開発や実証も行っています。サイレントパイラー™は機械基幹本体の重量に依存せず、既に地中に押し込まれた杭を掴み、その引抜抵抗力を反力にして油圧による静荷重で次の杭を押し込んでいく工法です。2021年には国土交通省の宇宙建設革新プロジェクトに採択され、その技術を月面建設に応用する共同研究も行っております。
地震や津波に対する防災の面においても、そして月面建設にもその技術を活かせるというサイレントパイラー™は、圧入原理を世界で初めて実用化した機械です。
ー月面!すごいですね。福留さんは高知出身とのことですが、Uターン入社に至った経緯を教えてください。
福留さん:高校の授業の一環で見学したことで、会社のことを知りました。その中で、岩手県釜石市の防波堤を1/33スケールで再現したもので、技研製作所のインプラント構造™と、フーチング構造との違いを比較できる実験装置「津波シミュレータ」があって、「ここまでやるのか」と衝撃的で、とても印象に残っていましたね。
高校卒業後は広島の大学に進学し、県外就職も視野に入れて就職活動をしていました。ありがたいことに、全国各地の色々な企業から内定をいただいていたんですが、最後には技研製作所の技術力の高さに魅かれて入社を決めました。
ーたくさんの選択肢がある中で、決め手は何だったんですか?
福留さん:“スケールの大きさ”と、“他にない技術力”ですね。なんといっても高校時代に目にした大規模な実証実験がとても印象的で、この独自性と壮大な事業内容は他の会社にはないと思い、「この会社の設計職に就きたい!」と思ったんです。
あとは、大学の所属ゼミの教授に、「地元に帰りたいという気持ちは大切にしたほうがいい」という話をされたことや、防災の面においても技術が活かせて高知に貢献できるという点も、決断の後押しになりましたね。
濱野さん:福留さんは高校、大学と工業系出身ということで、当社でも即戦力として活躍いただけるような学びをしていらっしゃったので当社の採用基準にマッチした方だったと思っています。
ーなるほど!福留さんは現在どんな業務をされているのでしょうか?
福留さん:今の業務は、製品設計課に所属し、サイレントパイラー™の動力源となるパワーユニットの追加部品設計や、図面・3Dモデルを作る作業です。「福留さん、こういうものを作ってほしいからこういう図面を書いてください」と指示を受けて作業にあたっています。
メンバーは、入社4、6年目の若手から、15年目、そして30年を超えるベテラン社員まで、幅広い経験年数の5名で構成されています。
ー年齢層も色々で、メンバーのバランスも良さそうですね。
福留さん:そうですね。いろんな目線の方がいらっしゃってバランスが取れていると思います。入社前は、なんとなく堅いイメージを持っていたんですが、いざ入社したら全然そんなことなくて。本当に皆さん気さくに仕事のことも、仕事以外のことも話を聞いてくれて、人もすごくいいんだと思って、いい意味でギャップがありましたね。
ー人間関係がいいと仕事の効率もあがりますよね!仕事のやりがいはどんな時に感じますか?
福留さん:図面が完成して承認されたときには大きなやりがいを感じますね。会社に提出する図面って、当然ですが一切ミスが許されないんですよ。集中力を総動員して1枚仕上げるのに3~4日かかるので、この達成感は設計職ならではだと感じます。
特に当社は、これまでのやり方通りではなく、都度適切なやり方を考えながら取り組むスタイルなので、答えのないものに対して自分で考えながら形にしていくという作業は自分の成長にも繫がっていると感じますね。
ーまさに、専門職ならではのやりがいですね!
福留さん:そうですね。これまで培ってきた技術をもとに何度も修正しながら自分で考えて形にしていく工程が、本当に面白いんです。
今はまだ、パーツ単位の設計が多いのですが、将来的には「パワーユニット全体を任されるような設計者」になりたいです。そのためにはパワーユニットの構成の理解はもちろん、法律等の理解も必要になります。そういった部分も含めた、プロジェクト全体の設計もできるようになれば1人前の設計者だと上司にも言われているので、まずはそこを目指しています。
まだ経験できていませんが、将来、自分が描いた図面から実際の製品が完成して目の前に現れたら…。それが今の一番の目標です!
ー社会に貢献するものを自分で作り上げていくことは大きな意義を感じられそうですね。
濱野さん:当社は開発型企業になりますので、社会の変化に対応できるものを開発し続けることが目標です。近年で言いますと脱炭素化や電動化、遠隔操作の技術開発も行っています。また、国の「宇宙建設革新プロジェクト」に採択され、技術研究開発を行っており、サイレントパイラー™が月や他の惑星でも活躍できる未来を目指しています。宇宙という壮大なテーマに対しても当社の技術力で立ち向かっていきます!
―本日はありがとうございました!
会社名:株式会社技研製作所
事業概要:高知市に本社を構える建設機械メーカー。騒音や振動を抑えて杭を打ち込む独自の杭打ち機「サイレントパイラー™」を開発し、国内外の防災・インフラ整備に貢献。近年は脱炭素や月面建設といった最先端分野にも挑戦し、地球と宇宙の未来を支える技術開発を続けています。
会社HP:https://www.giken.com/ja/
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